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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

成年後見制度の課題 

毎日新聞(2016年2月21日)の記事より一部抜粋

地域の取り組みに温度差 
 「(成年後見制度の)利用を促進するには、成年後見を必要とする人の把握と、その人を支える体制をどう作るかにかかっている。
  東京品川区社会福祉協議会の斉藤修一・品川成年後見センター所長は指摘する。
  同センターは「ワンストップセンター」として相談の受付から家裁への申し立て、後見の実施まで担う。区の高齢福祉課と情報を共有。月2回開くケース会議で関係者が協議し、後見人をつける必要があるかの方針を決定する。その後医師や弁護士・福祉関係者らによる審査を経て、家庭裁判所に後見人の選任を申し立てる。
 同社協は法人として後見人になることが認められており、職員17人で分担している。資産が少ないケースや家族関係が複雑でない場合は、区などで養成した市民後見人が担うこともある。
 同区の市民後見人の一人、Kさんは定年退職後、とが実施した市民後見人の養成講座を受講。2年前から市民後見人として活動している。
 これまでに4人を担当。週1回は自宅に赴き、契約など本人のさまざまな選択を支援する。本人が高額な化粧品を買ってしまったことを知った時は、企業と交渉し全額返金してもらった。報酬は1万円。
 「ボランティアではなく職業人としての自覚が求められる」と話す。社協職員とは常に連携し、判断に迷ったときは一人で抱え込まないようにしているという。
 だが、品川区のように体制が整うところは多くない。
 また後見人の数を確保するには、弁護士ら専門職だけでは限りがあるため、厚生労働省は11年度から市民後見人の養成事業を36都道府県役160の自治体で実施し、役1万人を養成した。市民後見人への期待は高いが、実際に家裁の選任を受けるには、品川区のようなバックアップ体制が必要だ。

後絶たぬ不正被害
 後見人らによる不正の被害は14年に年間で831件あり、被害総額は56億7,000万円に上った。親族の後見人だけでなく、職業として後見人となる弁護士や司法書士などの専門職でも不正は後を絶たない。
 後見人の立場を悪用して、認知症の高齢女性3人から1億円以上を着服し、キャバクラ代などに使ったとして業務上横領に問われた元弁護士に対し、東京高裁で10月に開かれた判決公判。裁判官は懲役6年の実刑を言い渡した。
 
 制度上、後見人の監督は原則、家庭裁判所が担うが、政府の有識者委員会では、「事務負担が増えており、家裁の監督だけでは不十分だ」との意見が多数だ。
 対策の一つとして注目されているのが、12年から始まった「成年後見制度支援信託」だ。本人の財産のうち、日常的な支払いをする預貯金は後見人が管理し、普段は使わない金銭は信託銀行などに託す仕組み。信託財産を払い戻したり解約したりするには家裁による指示書が必要なため、多額の不正はしにくい。
 同制度の利用者は14年2,764人(1,090億円)、昨年は6,563人(2,109億円)と飛躍的に増えている。これに伴い、15年の後見人らによる不正件数は前年より約4割減り、被害額も5割近い29億7,000万円に抑えられた。
 しかし、銀行側にとっては収益につばがりにくく、新たなシステム導入など経費負担も大きいため、大手信託銀行以外が導入するにはハードルが高い。
 そのため、計画原案には「成年後見制度支援信託に並立・代替する新たな方策の検討」が盛り込まれ、今後地方銀行でも実施できるような簡易な方策が検討される見通しだ。



  2,000年の制度発足以来、今なお、多くの課題を抱えている。 
  これからますます認知症高齢者は増える一方。障害者も例外ではない。役所はさかんに普及・啓発の大義があるから、さらにこの制度活用を勧めようとしているでしょう。
 しかし、品川区のように市民後見人をきちんとした形で養成し、そして活躍の場を実際に広げてもらわなければ、いつまでたっても専門職後見人が幅をきかせて圧力をかけてこないようにしたいものです。
 残念ながら当地では社会福祉協議会の職員そのものが社会福祉士会に所属している専門職が多いので、それだけで社会福祉士団体がやっている「パートナー」(後見業務を行業界う団体の名称)と拮抗することを避けているのか、なかなか市民後見人を活躍の場にという機運はありません。

 
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後見人問題

 先日あるTV番組で「成年後見制度の問題」についてレポートされた内容が放映されていました。タレントが視聴者から寄せられた問題について現地に赴き、状況を聞きだしそれをメディアで流すことで視聴者に問題提起をするという番組です。

 その中の事例は以下のようなものでした。
 父親が認知症になり、成年後見制度で「後見」相当と認定され、弁護士が後見人についた例。
 父親と暮らす50~60代の娘さん。父親が認知症となったため、父の介護のために自分の仕事を1/3に減らし父の所有するマンションに同居した。(これまではひとり暮らしだったのでしょうか)
 家賃11万円、生活費6万円は父が支払っていた。毎年恒例で3万円のお節料理を取り寄せてお正月には祝っていた。そのおせち代も認知症になる前から父がお金を出して子どもたちに振舞っていた。
 今年のお正月にもいつも通りにお節を頼み、その請求を弁護士にしたら、全額請求は認められず、娘も食べるのだからと半額の支払いしか認められなかったと。
 また、「家賃と生活費も父と娘がそれぞれ折半し、半額ずつ支払いなさい」と言われた。自分には父の介護のために仕事もセーブしているので、収入も少く困っている。
 父親も「こんなことなら、制度を利用しなければよかった」と困惑している。
 といったような内容でした。

 しかし、このように堂々と自分の意見を言える父親なら、そもそも「後見」相当との認定がまずおかしいと思いました。
 せいぜい、補助・保佐人レベルで妥当な方。
 この番組では娘さんが父の年金を当てにして「経済的搾取」をしているかのようにもとらえようによっては見えるかもしれません。 後見人の弁護士もこれまでの親子の生活背景を聞くこともなく目の前の事象だけでそのように判断しているのかもしれません。
 この事例の父親は、見た目も生活スタイルも家の雰囲気も、なんとなく財産があるような方です。だからこそ娘さんも将来的な揉め事を少なくするために、父親が認知症になったので(※TVを視ている限り、せいぜい軽度認知症のように見受けられます)、成年後見制度を利用したのでしょう。 
 しかし、財産があるだけに弁護士が後見人についた。
 実際、医師の診断書も(誤解を恐れずに言えば)いい加減なものが多く、「補助・保佐人」相当でも「後見」相当と判断されることが多い。
私が以前見聞きした実際の例として、ケースの申立てのため、社福士が診断書を書いてもらうため、ある開業医=専門医ではない=にお願いしたとき、その開業医は『なんて書いて欲しいんだ』と社福士に聞くので、その社福祉は「先生、『後見相当』でお願いします」とこちらからその後の展開がしやすいように誘導していたこともあります。「後見」にしたほうが、その後の後見活動をしていく中では後見人の意図のとおりに進みやすいからだと推察します。その社福士は「医者の診断書なんてちょろいもんだ」とのたまっておりました。
 だから、いろんなマスメディアに事例として出てくる人たちをみていると、その言動・行動から「後見」相当は違うんじゃないかと疑ってみてしまいます。
 まず、自分の意思や意見が少なからず言えるのなら「後見」ではないはずです。「後見相当」とは、判断能力のない認知症の進んだ人になるからです。
 財産があれば、家裁はまっさきに弁護士を後見人につけるでしょう。この事例の場合では娘さんが後見人に申立てすることも可能だったでしょうが、家族間の課題があればその辺は第3者に頼んだほうがいいという考えもあるから一概には言えませんが・・。
 そうして弁護士に支払う報酬が月々数万円。本人も家族も不満や後悔を抱きながら生活を強いられるのだったら、何のための「成年後見制度」なのでしょう。
 昨今は、親の介護のため、あるいは子ども自身のリストラとか、非正規雇用などの社会状況から親のほうが資産を多くもっている家庭も多くなってきているかもしれません。
 今回のケースのように、父親と娘がお互い納得の上で金銭の支払い分担を行っていても、「経済的詐取」というふうにみなされるのか?あるいはなんとしてでも「折半」しなければいけないのか?
 お節料理注文の件は、見方によっては父親の子への愛情の一環からお金を支払っているとみることもできるけど、反面娘が父のお金を当てにしているという見方をする人も。
 個々の事情を汲み取ることなく、そういう生活のスタイルだけをみて何でも「親の財産をあてにして詐取している」とみなされたのでは介護する家族のほうも困惑するのではないでしょうか?
 専門職後見人は、論理的に物事を判断しやすく、その立場上マニュアルどおりにことをすすめようとする傾向があります。
 成年後見制度を活用するさいに、個別の生活状況やこれまで生きてきた親子の価値観や背景がないがしろにされてしまうことへの危惧を感じました。


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成年後見制度は専門職のサイドビジネスではない

 成年後見制度は2000年に発足しました。制度が徐々に世の中に浸透するにつれ、新たな問題も多く発生しています。
 制度が始まったころは、親族後見人が多数を占めていましたが、財産を巡る親族内でのトラブルが目立つようになり、専門職の選任が増加していきました。
 しかし、被後見人の財産を横領する専門職後見人が続出。被後見人の面倒をまったく見ないで(後見人の役割である身上監護をおろそかにし、財産管理のみにしか関心のない弁護士や司法書士が多い)報酬だけをむしり取る専門職後見人が横行し、多くの被後見人とその家族が苦しめられています。
 最近はマスメディアでも事件化された事例も取り上げられています。
 
 障害者を貪る「弁護士後見人」の一例(雑誌より一部抜粋)

 「私(Tさん)はいま71歳ですが、金銭面を含めこれまで知的障害者の息子の面倒をキチンと見てきました。それなのに家庭裁判所(以下家裁)は、親の私ではなく息子の生い立ちや人生観、健康状態など何も知らない弁護士を息子の後見人に選んだのです。
 親が後見人になれば報酬は不要ですが、第3者の弁護士後見人の場合は、限られた息子の財産の中から毎月数万円の報酬を死ぬまで払い続けねばならず、それだけで息子の財産はなくなってしまう。家裁も弁護士も『息子の財産を守るために後見人が必要だ』と言いながら、弁護士報酬などで息子の財産を無駄遣いさせようとした。」
 後見人選任時点の息子名義の預金は1090万円。Tさんと夫がH氏(息子)の将来を案じ、44年コツコツ貯めた苦労の結晶だ。その中からH氏は専門職後見人への報酬として、毎月数万円の出費を余儀なくされた。44歳のH氏が存命中ずっと弁護士に報酬を払い続けたとすると、計算上それだけでH氏の預金は消えてしまう。
 その後弁護士と家裁はH氏の預金を信託銀行に預ける「後見制度支援信託」の活用を勧めた。後見信託を設定すると、ボーナス(手数料)として被後見人の資産から数十万円が後見人に支払われる仕組みがある。『コツコツためた数十万円ものお金が一瞬でなくなり、手続きも煩雑。息子には何のメリットもなかった』
 昨年7月、Tさんは自分と姪の2人をH氏の後見人に追加する申し立てを家裁に起こした。Tさんは申立書の中で、H氏と同世代の姪と母親の自分が後見人になることがH氏の将来にとって最適であり、弁護士への報酬や後見信託は「貴重な預金を目減りさせ経済的合理性がない」などと主張。申し立ては家裁に認められ、弁護士は辞任した。

 Mさんの長男A氏は交通事故で脳に外傷を負った。生命保険会社に「保険金請求に後見人が必要」と言われて後見人を申し立てたMさんは家裁から後見人に選任された。後見人選任は最終的に家裁判事の「腹一つ」なのだ。A氏は入院中ずっと寝たきりで話もできず、病院からは「4~5歳児程度の知能」と言われた。
 Mさんは介護とリハビリに専念するため仕事を辞めた。その甲斐あって2年後には車椅子なしで歩け、会話ができるまでに回復した。今は新聞を読め、テレビの録画もできるという。
 だが、保険金でA氏名義の自宅を購入したことから歯車は狂っていく。MさんはA氏と相談して家を購入した。Mさんが亡くなっても、家があれば娘さんにA氏を託せると考えたのだが、これが一部から「息子の財産を使い込んだ」と見られた。Mさんは後見人辞任に追い込まれ、弁護士2人と社会福祉士1人が新たに後見人に就任した。だが、「弁護士2人は就任直後に一度、自宅に挨拶に来たものの、A氏の将来の生活や社会復帰に向けた職業訓練などのことは一切話さず、すぐに帰ってしまった」と関係者は話す。
 さらに弁護士らは、A氏の自宅を売却しA氏をリハビリ施設に移した。後見人3人には売却代金からそれぞれ数十万円のボーナスが支払われた模様だ。A氏は「母と一緒に暮らしたい」と手紙を書いたが弁護士は黙殺。Mさんはアパートを借りた。
 A氏が39度の高熱を出して病院にかかりたいと言っても、『立て替えておいて』の一言。弁護士はA氏の資産額、土地の売却額も教えないし、A氏が保管すべき障害者手帳も渡さない。A氏の障害者等級確認のためMさんが市役所に質問したが、『後見人が教えなくていいと言っている』と突っぱねられた。
 なお、この弁護士は地元自治体の精神医療審査会委員や地元弁護士会の高齢者・障害者の権利に関する委員会委員などを務める「人権派」弁護士だ。

 一般社団法人「後見の杜」の宮内氏の弁;(後見問題の相談などに応じている)
 「専門職後見人が高齢者名義の居住用不動産を高齢者が生きている間に売却すると、売却収入から1件あたり平均100万円程度のボーナス報酬が支払われるんです。家裁では一般的に、認知症の高齢者は自宅ではなく、特養などの施設に入るのが幸せだとする空気があって、裁判所の側から売却に異を唱えることはまずありません。」 
 このように認知症などの被後見人の不動産を処分する申請は年間7000件、家裁に提出されている。
 「後見人が横領などの不正行為をした場合には、本人や親族が家裁に解任請求を出すことができます。しかし、『後見人が何も仕事をしない』というだけでは解任が認められることはまずありません。
 一方辞任件数はこのところ急増しており、悪質な後見人に対して、本人や親族が爆発し、解任請求が提出されそうになると、後見人が先手を打って、あれこれ理由をつけて家裁に辞任を申請している結果だと考えられます。」
(解任されれば後見人として家裁に登録もできなくなりますが、辞任ならばまたほかの事例の後見人に選任されることも可能です)
 


以前高齢者の部署で仕事をしていたときに、身寄りのない認知症高齢者等(たいていは財産もなく親族の支援もない場合が多い)の市長申し立ての手続きについて携わっていたことがあります。
 具体的には社会福祉士がその実務を担当していましたが、必要な予算的措置は担当部署が担っていました。
 申立てする際の診断書代(医療側に支払う)や家裁への申請手数料、弁護士(または司法書士等)への報酬も公費でまかなうのですが、総額で年間100万くらい(対象者を2件として)予算を取っていました。
 申立てをすれば最終的には家裁が適当な後見人を選任するのですが、一般的に財産がある場合は弁護士や司法書士が選任されることが多く、財産のない高齢者は社会福祉士あたりが選ばれている実態。
 宮内氏によると弁護士報酬で2~8万円と言われています。(だいたいの相場は弁護士で3~4万、司法書士で2~3万、社会福祉士で1~2万円程度。)
 弁護士などはお金のない高齢者の後見はしないときっぱりしているところもあるのか、家裁も相手の資産をみて選ぶのでしょう。家裁と3団体(弁護士会、司法書士会、社会福祉士会)が県を介して制度については根回ししているようなところもあり、当方の社福士は事前に業界団体にケースを打診し、自分のお目にかかった同職の専門職を家裁に推薦し、内諾をもらっていました。(家裁だって団体から後見人候補者リストを渡されても誰がきちんとやってくれる人物かの判断までは難しく、結局は各団体が推薦する専門職の中でもすでに実績を持っている人や、団体の推薦を受けた人を家裁に連絡しているようです)
 それぞれの団体が後見人になる人を養成し、またその実績をあげるためにあえやこれやと裏で動いているのです。中には後見報酬をあてにした生活設計を考えている人もいたり(独立型社福祉士)、弁護士や司法書士など一つの再度ビジネスとして考えている人も。
 「この人(職種)には後見人になってほしくない」と思っても、家裁は当事者(本人親族)に聞くこともなく家裁の決めた(何を基準に決めているのかも明確にせず)人物が、後見人と名乗りをあげる。信頼関係を築く前から『変更もできない』と言われ、仮に後見人と相性が悪くてもよほどの不正行為がなければ解任もできない。
 報酬にむらがる専門職たち。新た参入しようとする団体には既存の団体が自分たちの新たな職域のチャンスを守らんとして圧力をかけてきたり。だから市民後見人は一部の先進的な地域でしか広まっていかない。
 本当に高齢者や障害者のためになっているのでしょうか?


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市民後見人養成のその後

 3年前、東京大学が主催した「市民後見人養成講座」を修了した卒業生のその後の報告会を兼ねての集まりがありました。
 その当時主任講師としてご指導いただいたお二人の先生が来県され、受講生も20人くらい集まりました。
 受講後、実際に市民後見人として活動しているかと言えば、いろんなしがらみや障壁や課題が多く、後見人としての活動はできていません。
 まず第一に、裁判所が認めない事。(当県の裁判所は全国的にも厳しいところだそうです)
 それから、県内は3団体(弁護士・社会福祉士・司法書士)の圧力が強いこと。新たな団体が参入してくることを極端に嫌う(傾向がある)。
 そのくせ、後見人になり手がいないと不足を訴えているにもかかわらず・・・です。

 東京大学もその後、弁護士会から圧力がかかったそうです。養成講座では後見人の不正などもその主任講師の先生は盛んに問題提起していたのですが、「そういうことを講義で言ってもらっては困る」と。
 外部の圧力に大学の上層部の教授たちは屈したそうで、その主任講師だった先生は、その後養成講座の担当を外され内圧を受けてしまったようです。結局、今年度いっぱいで大学を辞めざるをえなくなり、これからは独自で活動をしていくことを話されました。

 その先生のもとには、後見人の権利や尊厳を侵害するような報告や相談は数多く入るようで、今後はそういう相談窓口を立ち上げたいとおっしゃっていました。
 後見人の不正があとを断ちません。
 財産のある高齢者などは、所詮弁護士や司法書士がつくことが多く、中には身上監護よりも、財産管理に重きがおかれ、それも後見人の思うままに財産が処分されるケースもあるとか・・。
 「被後見人の権利を守る」ことを盾に、その家族の権利を逆に侵害してしまうような事態もあるとかで、なかなかいろんな問題を含んでいる成年後見制度の実態を知りました。

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後見業務に思う

 認知症高齢者の増加とその権利擁護にあたり、成年後見制度の利用を勧める動きが、ますます広まっていくようになっています。
 しかし、身寄りがなかったり、親族間の関わりがない人の場合は、自治体の長の申し立てにより裁判所に後見人の申し立てを行う事例が増えてきています。

 裁判所が結果的に後見人を専任するのですが、以前上記のようなケースに弁護士が後見人に専任されました。
 そして養護老人ホームに入居していた被後見人に対しては、ほとんど定期的に面会に行くこともなく、「報酬もなくてやってられない」ような言動を吐いていたということを聞きました。
 
 弁護士や司法書士などは確かに財産管理は得意分野かもしれませんが、身上監護についてはほとんど関心が薄いのも正直なところでしょう。どちらが優先というわけではなく、どちらも後見活動においては必要な支援ですが・・。
 
 自治体によっては市民後見人を養成し、身近な市民が共助の精神で、後見人になってもらうことを推奨するところもあるというのに、わが自治体では「市民後見人なんて認めない」という先入観が最初からあり、県や3団体(弁護士会・司法書士会・社会福祉士会)がこぞって自分たちの活動領域に他の集団が入ってこないようにという縄張り意識が強いのが実態です。
 市民後見人の研修会を数年前に受講し、その中で意識の高い人達はNPOを作って、後見活動にむけて動き出したにもかかわらず、県はそれを後押しするどころか、3団体の意向をくみ取り裁判所も「市民後見人は専任しない」と公言しているというのです。
 ボランティアで後見活動をせよとまではいいませんが、「これっぽっちの報酬しかないのか」と愚痴りながら後見活動をする弁護士。行政の責任で後見人の申し立てをした以上、その後見人に支払う報酬も、被後見人の財産がない場合は、税金から弁護士の後見報酬を予算化しなければならない。後見人の実態はそんなところです。

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知的障害者の成年後見制度をめぐる裁判

 ダウン症の障害をもつ女性が、成年後見制度利用している人から選挙権が剥奪されるのを不当として裁判をおこしていた判決が昨日のTVや新聞のニュースで取り上げられています。

 裁判長の判決では、「選挙権はこれまでどおり行使できる」というものでした。

 この裁判については、私も市民後見人の講座を受講したときに聞いており、裁判のゆくえが気になっていました。
 ダウン症の障害をもつ50代の女性は、障害者の通所施設に通いながら両親と生活しています。
 20歳を過ぎてからは、選挙に行って自分の好きな候補者に投票することをとても楽しみにしていたといいます。毎回選挙があると、父親から候補者の人となりを説明してもらい、投票日には一度も棄権したことがなかったそうです。
 親も高齢になり、将来の生活を心配して、成年後見制度を利用することに決め、申し立てを行ったら「後見」相当との審判が下り、父親が後見人に選任されました。
 しかし、今の法律では後見人が選任された被後見人には選挙権がないということになっており、彼女は何十年と行っていた選挙ができなくなりました。
 まだ、「補助」や「補佐」というレベルだったら選挙も補助人や保佐人の支援のもとで投票はできたかもしれませんが、テレビで拝見する限り、いくら知的障害とはいえ、記者会見にも感想を聞かれて堂々と自分の気持ちを語っており、あれで「後見」相当とはちょっとオーバーな感じも受けるのでした。(後見相当となれば認知症などかなり判断能力が低下している場合が想定されますが、知的障害の場合はせいぜい「補佐」程度のランク付けでもいいのでは?と思いますが・・)

 結局「後見」相当と判断されたことで、これまで楽しみにしていた投票ができなくなり、今の法律の不備を親子で訴えることにし、2007年に裁判を起こしました。


 提訴から6年近くかけてようやく判決がでました。
 それも、新聞報道などでは、裁判長の心ある言葉と障害の人にもわかりやすい内容で「堂々と胸を張って選挙に行ってください。」とコメントしたそうです。 画期的な判決だと思います。

 

講座修了式

 昨年から受講していた「市民後見人養成講座」の修了式。座学や体験学習を経て、ようやっと卒業にこぎつけることができました。とはいっても、いきなり後見人を受任できるかと言えば、そうは簡単にはいかない要素がまだまだ沢山あります。受講生の中にはNPO法人を作ってこれから本格的に活動しようとしている積極的な方々もいらっしゃいます。

 私の場合は、まずは障害を持つ親の立場からという意味で、同じような障害をお持ちの親御さんたちへこういう制度があるということの啓発をしていけたらと思っています。まずは、自分の子どももいずれ後見(補助・保佐)人をつけなければならないときに備えて勉強しておくのはプラスにもなることでしょう。

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成年後見制度について思うこと(2)

 市民後見人養成講座のカリキュラムがようやく終わろうとしています。長かったようで短かった1年間でした。
講座を修了した後、受講生の中でNPO法人を立ち上げ、実際に後見活動に取り組もうと意欲的に燃えている方々も多くおります。
 今後この制度がより一般に浸透していくのか・・・。実際にはまだまだ課題が多いと言うのが講座を受講してみての実感です。
 
 高齢者の分野では、今後増え続ける認知症高齢者においては、財産管理などにおいて成年後見制度の活用が見込まれるかもしれません。しかし障害者の後見となると、申し立てそのものがまだまだ少ないのが現実です。
 その理由としては、①親がまだ元気なうちは後見人の必要性を感じないこと、②障害者のサービス利用契約は親でも可能になっている、③後見人に支払う報酬や鑑定に係る費用などの問題、④後見人との人間関係、⑤選挙権の問題・・などがあげられると思います。
 とくに後見人と被後見人(障害者)の人間関係(相性)について、不安に思う親御さんは多いです。障害者は高齢者と違って後見人との人間関係は親亡きあとも長く続きます。最初は相性がよかったのに、長い経過の中では障害者の価値観も変わってきたりしてお互いの気持ちのずれにより、わが子が不利益を被らないかと先々のことまで不安に思ってしまうのです。
 特に障害者の場合は「財産管理」よりも「「身上監護」がかなりの部分を占めますから、わが子の障害特性を理解して信頼関係を築ける後見人が本当に見つかるのか、そこのところが大きなネックです。
 実際に、これまでの歴史の中では、障害者の面倒は身内で何とかしてきたというのが実際のところですが、これからは兄弟姉妹にもそれぞれの人生があるからと、親の方がかえって遠慮してしまう傾向もあるのかなあと思います。
 わが子の将来が安心したものであるようにと、親御さんなら誰もが願うところです。市民後見人はこれからどのように活躍の幅が広がるのかは未知数ですが、本当の意味で市民の目線で、地域福祉の観点から障害者や高齢者の代弁者になってほしいものだと思います。

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成年後見制度について思うこと(1)

 私は今、「市民後見人養成講座」を受講しています。受講の動機は様々ですが、親が認知症、子どもが障害を持っているから、障害者の施設に勤めているから、社会貢献のために・・・などいろいろあります。私の場合は、息子に発達障害があり、将来的に自分が後見をするにしても第3者に任せるにしても、そういう勉強の必要性を感じたからです。

 これまで親族以外で後見人を受任してきたのは、主に弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職と言われる人たちでしたが、いろんな職種や関心のある市民が後見人として活躍されることはこれからの認知症対策や障害者の権利擁護の観点からも必要性はあることなのでしょう。

 しかし、本当に単なる金銭管理など事務的な仕事だけでなく、どれほど被後見人の心情を汲み取った身上監護をしてもらえるのか・・親がいるうちは親が頑張るとしても、親が病気になったとき、死んだときなど。
特に障害を持ったお子さんを育てている親御さんたちの大きな悩みです。
先行きの長いわが子の行く末をしっかりと安心して託せる後見人であるか、そして、後見人との人間関係がうまくいってくれるかということがとても気になるところだと言いますし、それゆえこの制度を知っていても安易に活用できないところもあるという声も聞かれます。

 専門職はその「専門的」知識からある程度は後見業務を事務的にはこなせるかもしれません。しかし、その「専門的」見方から、対象者(被後見人)をラベリングした見方に陥りやすい部分もあることも否めません。そこを一般市民の市民感覚で地域で暮らす認知症高齢者や障害者の後見ができたら・・ということを講師の先生は言っていました。

 実際に障害者施設で勤務するある受講者は、「社会福祉士がある利用者の後見人になっているが、どうも利用者の権利を守っているように思えない。指摘すると『あななたちのような素人は口を出さないで』と言われた。だから、自分もこの講座を受講して知識を持つことで対等に話ができるようになりたい」と言って受講されていました。

 また、社会福祉士の中で後見業務に携わる人の中には、「認知症(高齢者)は先が見えてるけど、(知的)障害者は死ぬまでずっと付き合っていかなくちゃならないから、あまり受けたくないよねえ。みんなも『もう大変!』と言っていたよ」なんていうことを口にしているのを聞きました
 
 また、司法書士の中にも、「低所得者には後見人をつける必要があるのか?」と平気で口にする人がいます。それは自分が後見をすれば、一定の報酬がいただけ、それを生活の糧としているからでしょう。だから、所得のない人への後見はしたくないという考えの弁護士や司法書士もおります。
 かたや、同じ司法書士なのに足しげく受任者のいる障害者施設に通い、信頼関係を築きながら身上監護の方をきちんとやっていらっしゃる方もおります。年金が少なく、後見報酬もゼロという方でも、必要とあらば積極的に支援されています。(その方の講演を講座で聞いてそういう人だったら後見をお願いしたいと誰もが思うのではないでしょうか・・)

 要するに、専門職だから、よい後見ができるということでもないと思います。しかし、第3者後見の場合は誰が後見を引き受けるかは、裁判所が決めますからその方の人間性までは見極められません。
 特に障害者の場合は、一生の付き合いですから、被後見人と後見人の相性や信頼関係が大きいです。
 また、後見活動を単なる「報酬のある仕事」と割り切ってもほしくありません。

 今後国をあげて後見人を増やそうといろんな対策が講じられています。従来の専門職の域を超えて、さまざまな業界団体も後見人養成に盛んな機運があります。そこには自分たちの職域拡大や「報酬目当て」や「生活の糧」を得るためという目的が優先される場合も残念ながらあるようです。

 同じ地域で生きる市民として認知症高齢者や障害者をとらえていただき、そういう方たちを同じ市民で支え会うという市民後見人の活躍も今後期待されますが、いずれにしても社会的弱者に対するいたわりや尊厳のまなざしがなければよい後見はできないと思います。 

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医療・福祉・介護分野で仕事をしてきました。息子が発達障害をもっています。仕事や子育てを通して感じたことを個人の見解として綴っています。

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