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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

病院時代の思い出(その1)

 私は、6年半ほど病院でも仕事をしていたことがあります。

 内科的な病気で入院していたある女性の患者さんを担当しました。
 その方は、肝硬変を患っており、また糖尿病も合併し、決して予後はあまり良くはありませんでした。かなり顔色も茶色に近く、病状も今後は進行していくであろうと予測されました。

 症状が落ち着いたので退院にあたり、少し体力や運動の必要性からリハビリ室に降りてきては、エアロバイクなどを利用して体を動かしていました。
 
 その患者さんは、その当時はアパートで一人暮らしでしたが、いろいろ話を聴いていくと、お子さん(長男)が一人いて、離婚歴があること、そのお子さんとも事情があり、養護施設に預けていたため、ほとんど交流もなく、今も消息はわからないこと、自分は夜の仕事などをして生計をたててきたことなど、少しですが訥々と話をしてくださいました。

 あまり料理というものを作ったことがないといい、ある時の会話で「酢豚を作ってみたい」という話題になりました。
 退院したら、一緒に作ってみようかということになり、その方は退院しました。
 
 休日に、患者さんの住むアパートを伺いました。
 酢豚に使う食材を買い込んで待っていてくださいました。
 一緒に台所にたち、一緒に材料を切ったり、炒めたりしながら酢豚が完成しました。

 あの時は、患者さんではありましたが、一人の子をもつ母親として、しかし子どもとは音信不通になっているというその方のこれまでの人生にもどこか思いを寄せながら、一緒に酢豚を食したのでした。

 その後、息子さんが過ごしていた養護施設を訪れる機会があり、職員のかたにその患者さんのことをそれとなく聞いてみました。その職員は患者さんのこともよく知っておりました。息子さんは18歳になってからは施設を出て、今はどこにいるかはわからないようでした。
 細かい事情はわかるよしもありませんが、病院で担当させていただいた一人ひとりの患者さんにも、その人なりの人生のストーリーがあるということを改めて感じたできごとでした。

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Author:TTmama
医療・福祉・介護分野で仕事をしてきました。息子が発達障害をもっています。仕事や子育てを通して感じたことを個人の見解として綴っています。

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