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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

高齢者は長い人生を生き切った人

 今日、以前から見たいと思っていた映画「くじけないで」を鑑賞してきました。

 90歳から詩を書き始めたという柴田トヨさんをモデルにした映画です。
 
 柴田さんが出された詩集は以前より読んでいましたが、どの詩を読んでもかざらない言葉で心情を表現し、いろんな辛い体験や悲しみ、苦労もたくさんあったはずなのに、詩に表した時には前向きな言葉がならび、本当に素晴らしい自分らしい生き方をまっとうされた方なのだと感じます。
 
 映画の中でも、トヨさんの人生の歩みが映し出されていきますが、ああいう人生を生きて来たからこそ、あのような詩ができあがったのだということも改めて映像を見て思いました。

 私も含めて、高齢者の分野で仕事をしていると、80~90歳も超えた高齢者達と関わる中では、「高齢者とはこんなもの」という一種のイメージで見てしまっているのではないかと思うときがあります。

 私たちは、その高齢者と接するときには、その人がそれまで生きて来た足跡を一応は聞きとりはするものの、決して家族とは違い、その人と一緒に歩んできたわけではありません。相談に来た時点からの関わりしかないわけです。
 
 トヨさんは詩集も出して、それがベストセラーにもなり、彼女の人生も映画化されるようになり有名になりましたが、一人一人の高齢者の人生に思いをはせるとき、その人個々人の人生模様があるはずなのです。

 しかし、ひとたび認知症になれば、「認知症の老人」という枠で評価したり、一人一人顔も個性も違うのに、「認知症の人はこういうタイプ」とレッテルを貼ったりしがち。

 
 映画のなかで、医院の待合室でヘルパーさんや他の患者さんがおばあちゃん呼ばわりするのですが、「おばあちゃんじゃない、トヨさんよ」と、トヨさんは静かに、でもはっきりと応える場面があります。

 またトヨさんの詩にも次のような一節があります。高齢者は長い人生を生き切った人であり、喜びも苦しみもいろんな心模様を体験しつくした人。そういう人生の先達に私たちは幾らケアマネジャーだの、ヘルパーだのと専門職として関わるといっても、けっして「高齢者」という一緒くたな見方をすべきではないという気がします。

   
   私を
   おばあちゃん と
   呼ばないで
   「今日は何曜日?」
   「9+9は幾つ?」
   そんな、バカな質問も
   しないでほしい
   
   「柴田さん
   西条八十の詩は
   好きですか?
   小泉内閣を
   どう思います?」
   こんな質問なら
   うれしいわ

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カウンセリングマインド再考

先日、ある講座に参加しました。

 テーマは『心理主義化する社会~新優生学時代の生老病死~」
 講師は、和光大学名誉教授、子ども問題研究会代表 篠原睦冶さん 

 先生はもともと東京教育大学で特殊教育や臨床心理を学び、外国留学もなさったが、いろんないきさつや先生自身の価値観の変化などにより、河合隼雄先生たちが唱えた「臨床心理士の国家資格化」運動へ反発し、心理学業界で論争になり、臨床心理士会とたもとを分かち、「日本社会臨床学会」を立ち上げた人。

 そのご自身の73年のこれまでを振り返り、「障害」とは?や「心理学」への思いや自身の人生の中でなぜ今のような考えに至ったかなどのお話を雑談的にされました。

 アメリカ留学時代の黒人と白人間の差別、またご自分が熱心なクリスチャンだったこと、両親との関係(男尊女卑的な父親の育て方)、心理テストの弊害・・・。
 
 忘れられない出来事として語られたのが、以前普通学級か養護学校かの進路に悩んでいたある親子の心理テストやカウンセリングに仕事を通して熱心に関わっていた時代、その子が「就学指導委員会」にかけられたときに、心理の専門家としての立場から、(知能テストでは普通学級レベルではなかった)「養護学校が妥当」と助言したとき、その親は「(一生懸命に関わってくれた)先生の言うことだから、間違いではないだろう」とのことで、結果的に養護学校を選択した、しかし、その子は、これまでの仲の良かった地域の子が行く小学校とはひとりだけ反対方向に向かうことになる。
 後で、その子がぽつんと「僕は、ふつうに生きたい」と言ったその言葉がとても印象的に残ったと話されました。(ふつうの意味は「知能がどうであれ普通学級のある地域の小学校に行きたいという意味と、みんなと同じように障害があっても「普通」に地域で生きたいという二つの意味があったと・・)


 そこで、先生は知能テストでその子の人生を分断することへの違和感や、心理学分野がこれまで障害をもつ親子をこのようにコントロールしてきたのではないかという反省から、専門職としてのご自分の立ち位置について同じ心理学の視点から反論していく作業をこれまでなさってこられました。
 
 ひとの「こころ」を読み解くような「カウンセリング」や「心理テスト」至上主義化する昨今の「こころ」を商品化するブームへの反論。

 特に最近は、東日本大震災、さらに生活習慣病としての「うつ」など「こころのケア」として「心の専門家」としてのカウンセラーがまるで心の治療者のようにとりあげられています。
 そして人として関わる立場にいて「センセイ」と呼ばれる教師や福祉職、さらには人間心理を探求する宗教者まで効率的なカウンセリングのスキル習得に、心の専門家をめざしてはいないでしょうか。

 人は日常の中に生き、人と人との関係性を育てることで互いが信頼とつながりを宿し、どんな状況化にあっても「生きる意味」を失わない踏ん張りの心を身につけていくと思います。関係性の原点に還るカウンセリングマインドをひとりひとりが身につけることこそ、今の時代に求められているのではないでしょうか。


 参考図書:篠原睦治著:『「できない」子の側の生活とことば』『子どもに学び、子どもと共に』『障害児観再考』『脳死・臓器移植、何が問題か』『教育=共育』など。心理テスト、発達論、カウンセリングに対する発言には鋭くも人間的やさしさがある。

 
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最期のとき

 以前、朝日新聞の記事で紹介されたご夫婦がいます。「きぼうのいえ」を運営する山本雅基さん、美恵さんというご夫婦。
 
 ドヤと呼ばれる簡易宿泊所が立ち並ぶ東京・山谷に、4階建て21室の「きぼうのいえ」を夫婦で運営しています。
 「きぼうのいえ」は、もともとホームレスや路上生活者を受け入れる施設として設立されましたが、今では末期がんなどの深刻な病気を抱え、身寄りも行き場もない人たちの終のすみか「ホスピス」として機能しています。死を待つ場所ではなく、人生の終幕に向けて生き直す場として・・。

 入所者の多くは病院のソーシャルワーカーや福祉事務所からの紹介。常駐するスタッフのサポートを受けながら、あるいは通院を続けながら毎日を過ごし、自力で動けなくなると、往診に訪れる医師の診察や緩和ケアの訪問診療・看護を受けています。

 その死生観は、山田洋次監督作品の 映画 『おとうと』で 笑福亭鶴瓶演じる弟を看取る家のモデルになっています。

 映画では、身内からも「どうしようもない厄介者」と見られている弟鶴瓶とは対照的に、吉永小百合演じる姉はしっかり者で夫亡き後に薬局を切り盛りしています。その弟が末期のがんを患い、最後は姉やスタッフ、施設の仲間と一緒に最期の時をこの「いえ」で迎えるという設定(映画では、大阪 西成の“みどりのいえ”となっています)です。

 「小学校時代に親の仕事の関係で転校を繰り返した雅基さんは、行く先々でいじめに遭う。大学では神学を学ぶが、学生時代に日航機墜落事故で恋人を失った男性が嗚咽する姿を見て、「悲しみの底に沈む人の伴走者として生きよう」と心に誓う。がんの子どもや長期入院する子どもの家族のためのボランティア活動にも力を注ぐ。しかし、人間関係のストレスから何度か「引きこもり」になり、アルコール依存症になりかける。」と新聞記事に紹介がありました。
 
 一方美恵さんの方も、看護師として地方の病院で働いていましたが、恋人の死をきっかけに「生きる意味」を失いかけ、ある「死の哲学」をテーマとした講座で雅基さんと知り合い結婚。


 「擬似的かもしれないが、ここには病院にはない家族的な温かみがある」山谷の無料診療所で路上生活者らを診療する医師の評です。
 
 世間的には決して自慢できる生き方をしてきたわけではない人たち。その多くが家族とも縁が切れ、いろんな過去を背負ってきている人たち。
 「こんな生き方をしてきて、どうせ自分たちはのたれ死ぬ」だけと思って生きてきた人たちにとって、最期の「そのとき」は スタッフみんなに讃美歌を歌ってもらい、霊柩車に乗せられて街を出る。人生の終幕になって、ようやく人肌のぬくもりに包まれるかのように・・。

 最期に温かいスタッフや入居者に看取られて、天国に旅立つ・・・。最期が幸せな人生になるように・・・。
 美恵さんが、死にゆく人に必ず声をかける言葉。
 「もう楽になってもいいよ。来てくれてありがとう」
  
 これまで世間的にはあまり認められないような人生を送ってこられた方たちへの、死にゆく間際にかけられる心からの言葉を耳に刻んでここでは温かな眼差しに見守られて旅立って行くのでしょう。

 
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レディ・ガガという人

 テレビ番組で「レディ・ガガ」の生い立ちや活動を伝えているのを見ました。

 これまで、名前だけは知っていたけれど、あの奇抜なファッションに違和感がありすぎてほとんど関心はありませんでした。

 しかし、今日テレビを見ていて、彼女のファンが多い事や彼女のこれまでの生い立ちや活動を知り、彼女が魅力的だと感じる要因が理解できた気がしました。ファンの人たちが好きな理由は「自分のことを隠さないで正直に告白している」「人からどう思われようと自分自身の生き方を貫いている」からだという。

 富裕層の両親のもとに生れ、幼少時から音楽のセンスもあり、お嬢様学校に進学したけど、彼女の個性的な言動や服装などで、クラスメイトからはいじめられ、教師たちからも疎まれていた学生時代。
 大学を1年で中退し、ストリッパーで生計を立て、その後は音楽の才能を発掘されメジャーデビューに至ったという、まさに波乱万丈の人生を送ってきた方。
 (邪推な見方をすれば、もしかしたら、発達障害の要素があったのではないかと思ってしまいました)

 有名になればなったで、その活躍を妬む人も現れ、スランプに陥っていた時に、一人の少女が彼女の曲を歌っているのを動画サイトでガガ自身がそれを目にし、少女を自分のコンサートに招き、一緒にコラボレーションをすることに。
 
 「自分が歌手になり始めたころの気持ちを、一人の少女が思い出させてくれ、いろんな世間の批判や妬みなどくよくよ悩んでいることがちっぽけなことに思え、原点を見つめるきっかけになった」のだと。

 レディ・ガガという女性は確かに奇抜なファッションで好き嫌いも別れるタイプの個性すぎる人。
 

 わが家の長男も、一緒にテレビを見ていて、「でも、東日本大震災のときに真っ先に日本に来たんだよ」って、息子の方がよく、知っていたりするのでした。
 世界の災害支援に音楽を通して貢献している方なんですね。
 改めて、レディー・ガガという女性を魅力的に感じてしまいました。

 人と同じことをするだけが生き方じゃない
 自分の生き方は自分で決める
 私はこういう運命のもとに生れてきた
 自分の殻に閉じこもっていないで、自分を愛してあげよう
 どんな人種でも、一文無しでも、障害のせいで仲間はずれにされても、
 自分自身を受け入れてあげよう
 

 こんな彼女の詞の世界は、きっと彼女自身の生い立ちや生き方にもつながるのだろう。
 
 なんか勇気をもらった番組でした。

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夢の実現

 管轄の介護施設で働く仕事を通してお付き合いのある女性の介護員の方から電話が入りました。

 「今度、デイサービスを立ち上げたいのですが、市の方にも許可をもらいたいと思って、これから相談に行きたい」とのことでした。
 
 若い時に障害児施設や障害者の施設に勤務経験があり、今は特老でケアマネジャーや介護員やヘルパーなど高齢者分野でお仕事をされているのですが、組織の中での自分の立ち位置や家庭的な事情などもあり、「人生一度きりなのだから、自分の夢に向かっていきたい」と、自分の思い描くデイサービスを作りたいと語ってくれました。

 障害者も、障害児も、高齢者もいろんな人が集まって、家族のような暮らし方ができる社会(ノーマライゼーション)を最終的には目指したいと。

 これまでも居宅のケアマネジャーやヘルパーとしても、在宅で暮らす利用者たちと関わってきて思うことは、地域で暮らすには限界だと言って、地域の人たちからは「施設に入れてやってくれ」と懇願され、施設に入所すれば「厄介ものがいなくなった」とばかりにせいせいされるようなそんな実態を見聞きしてきて、「そういう支援で本当に良かったのか」といつもジレンマの中にもあったようです。
 
 そして、自分が理想とする介護や支援の在り方を実践していきたいと語る彼女の夢の大きさに、自分もそんな社会の実現を同じように考えていたので、すっかり意気投合していろいろ話しこんでしまいました。

 
 今は支援者がいかにも「よき支援」かのような態度で利用者の生活を「裁いて」いるのではないだろうか・・・。本当にそれでいいのだろうか・・・。本当のノーマライゼーションの社会って?

 そんなことをいろいろ二人で時間を忘れて話し込んでしまいました。

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Author:TTmama
医療・福祉・介護分野で仕事をしてきました。息子が発達障害をもっています。仕事や子育てを通して感じたことを個人の見解として綴っています。

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