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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

障害者(児)美談

(児玉真美さんの文章より)

 重い障害を持つ子の母となって以来、私はマスコミがいわゆる「社会的弱者」を取り上げるときに、でっちあげる「美談」なるものを、いっさい信じなくなっている。信じないだけでなく、積極的に嫌悪する。最後に「ああよかった、感動した」と思わせるのが何より嫌だ。
 話に登場した人物の人生は、重荷を背負ったまま、まだ続いていくという事実が、この安っぽい感動で忘れ去られてしまう。
 取り上げられた人物の本当の現実を描くよりも、いかに美しいドラマを見せるかということを主眼におかれるから、見ている人がその一瞬のお手軽な感動を味わえば、それでいい。めでたし、めでたし。

 そういう無責任なウソッパチさが、マスコミが障害者(児)をとりあげるときの記事や番組の構成の仕方には、ふんぷんとしている。
 そういう番組や記事に感動した人に出会うたびに、美意識とは痛みを知らない傍観者にのみ許されるぜいたくなのだな、とわたしは思い知る。
 だから逆に、現実の厳しさと毎日職場で直面し、老人や障害者の痛みを直接目の当たりにしている専門家であれば、そんなウソッパチな感覚にはだまされないものだ。
 
 障害のある子どもの親として、病院や各種相談所を訪れるとき、私たちは相手を「専門家」として見上げ、彼らに私たち以上の知識と問題意識を持ち、わかってくれる人、助けてくれる人を期待する。
 それなのに現実は?・・・なんだか、情けなくなってきた。

 

 マスコミはこぞって、障害者ががんばっている姿や活躍している情報を聴きつけるとそれを取り上げて放映したり、本に書き下ろしたりします。
 某TV局の障害をテーマとした24時間テレビなどは、その典型的なものでしょう。芸能人やテレビ局がお祭り騒ぎに終始し、募金を集めて車両を寄付したりするイベントがここ何十年と毎年の夏の恒例行事になっています。

 しかし、実際にテレビの画面でみる芸能人の「障害者への愛を・・」という言葉とは裏腹に楽屋裏での行動などを暴露した週刊誌なども読んだことがありますが、所詮芸能人もただのイベント屋と化しているだけで、根本のところで本当にその後個人の活動として障害者支援を展開している人ははたしてどれだけいるのでしょうか。

 障害者の美談が放映されるたびに、ごくごく一部の「恵まれた障害者」ばかりがクローズアップされ、それが「障害者の姿」だなんて誤解されたくはない。
 ほとんどのその他大勢の障害者は、そんな生活を送っているわけではないということを、マスコミは本当に知っているのか?そしてそういう現実に目をつむり、知らんぷりをしている社会の大部分の人たち。

 「障害者の」という枕ことばがいつの日かなくなる日がくることがあるのでしょうか。

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Author:TTmama
医療・福祉・介護分野で仕事をしてきました。息子が発達障害をもっています。仕事や子育てを通して感じたことを個人の見解として綴っています。

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