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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

支援者の傲慢さ・・(3)

 病院勤務の頃の出来事です。
 
 ある高齢の男性患者さんのリハビリを若い女性作業療法士が担当しました。
 
 初日の訓練とあって、まだ病気の後遺症もあり、覚醒はしていても、リハビリ指導に対しての反応の鈍さもあり、担当の作業療法士は、さかんに声掛けをしながら進めておりました。

 しかし、その声のかけ方や、指導の仕方には、どこか、高齢者、患者さんを見下した言動がちょっと気になりました。患者対治療者という構図。自分のやり方に従ってもらわないと困るといった雰囲気の会話。

 
 私の担当の患者さんをベッドサイドへ訪問したとき、ちょうどその男性の高齢者も同じ病室でした。
 その時、口から出た言葉は、「○○(作業療法士の名前)って女はこしゃくな女だ」と独り言のように呟いていました。よっぽど訓練室での言動が腹にすえかねたのでしょうか。
 
 そして、訓練室では、脳の後遺症で認知的な面の弱さがあると評価していたのかもしれませんが、病室で見せるその方は全然認知症もなく、逆に極普通の高齢者の姿でした。

 たまたま気乗りしないリハビリに積極的な態度で取り組んでいないように作業療法士にはみえたのでしょう。叱咤激励の意味も込めて指導的言動を多く発していました。

 自分の孫ともいわれてもいいような女性に、むしろ子どもを諭すような言い方をされたその患者さん。リハビリ室では何も反論せずに、反応も少なく接していたのは、理解していないからではなく、きっと意地でも指示に従いたくなかったのでしょう。患者さんの反抗だったかもしれません。

 私たちは、目の前の患者さんと関わるとき、無意識のうちに治療者としての自分を優位に立たせてしまうとするならば、そんな態度や言動が相手にも伝わってしまいやすいこと、「小娘にばかにされた」と感じさせてしまうこちらの態度こそ改めなければならないのだと思います。そんなことを感じました。

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