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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

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児童虐待増加の背景にあるもの

 今朝の新聞で児童虐待の件数が過去最多6万件を超えるとのデータを示し、記事にしていました。
 
 全国の児童相談所が2012年度に対応した児童虐待の件数は6万6807件で、前年度より6888件増えた。昨年度は10年前の2.8倍に・・。
 統計を取り始めてから22年連続で過去最多を更新。虐待件数は児童相談所が18歳未満の子どもについての被害通報を受け、対応したケースを集計したもの。
 厚労省は児童虐待の高まりや児相と警察の連携が進んだことなどで相談・通報が増えたほか、虐待そのものも増えているとみている。


 避難長期化、ストレス子どもに  虐待被災地で深刻化

 福島や宮城の被災地の仮設住宅に住む人から「子どもを殴ったり叩いたりしている」という通報が役所に入った。
 「お前なんかいらない」30代の母親が金切り声をあげながら、幼い長男を叩く様子が住民に目撃された。
 「仮説は狭くて、隣の部屋との壁も薄いのに、子どもは静かにしない。イライラをぶつける先がなかった」と面談に訪れた保健師に、専業主婦の母親はこう打ち明けた。
 「震災前は児童虐待の通報はゼロだった。隣近所が気になるストレスが親にあるのは間違いない」と保健師は話す。
 
 震災と原発事故に見舞われた福島県大熊町では、震災からこれまでの2年4カ月で12人の子どもが、虐待やその疑いなどで児童相談所に一時保護され、うち6人は児童養護施設などに入所した。
 同じ仮設住宅の住民らの通報や学校からの相談がきっかけでわかり、多くは親が育児を放棄するという「ネグレクト」という。親が「もう育てられない」と助けを求める例もある。

 「最近イライラしてしまう。子どもの寝顔を見てると、何であんなに強く叱っちゃったんだろうって」
 「福島にいた時は夫や両親、近所の人の助けがあったが、今は慣れない土地で子どもと自分だけの生活。自分がしっかりしなければと肩に力が入る。ストレスや不安から、つい子どもに当たってしまい、お母さんも自己嫌悪になっている」
 避難生活の疲れから、本来は入院が必要なのに、「自分が倒れたら子どもを見る人がいない」と、点滴を打ってしのぐ母親もいるという。



 こうやって新聞にデータが掲載されることはいったい、何を意味しているのでしょうか。
 行政は市町村→都道府県→厚労省(国)という順序で虐待の件数を一生懸命かき集めようとします。国は各自治体から集められたデータをこうやってマスコミの取材に対して提供します。
 こうしてマスコミがそのデータ新聞やニュースで取り上げることで、母親たちの子育て事情をさらに大変なものにしてしまうような感じがします。

 昨今は隣の家から子どものわめき声が聞こえるだけで「もしかしたら虐待をしているのではないのか?」と先走りすぐ行政に「匿名での通報」をしがちです。
 特にアパートなどの集合住宅では隣室との壁も薄く、母親たちは子どもの足音や騒ぎ声にはかなり神経質になっている家庭もあります。
 本来、その年齢で当たり前に発達したりすることすらも大人の都合で制止させられてしまう今の子育て事情の方がむしろ異常なのです。
 「子どもは騒ぐもの」「泣きわめいたりわがままを言って親を困らせるもの」という昔だったらある程度社会に受け入れられていた価値観までもが、今は社会からも否定されてしまっている。

 以前、子どもが保育園に通っていた時に園の日課で近所を散歩していると、子どものはしゃぐ声に、とある家の住人は、「散歩させる時、子どもの声がうるさい」と園に抗議をしてきたことがあったようで、それ以後、その家の前を散歩で通る時は、保育者が子どもたちに「ここの家の前では静かにね」と言って人差し指で「シーッ!」というしぐさをして注意しているのだと、わが子から聞いたことがありました。
 そこの家は高齢の方が住んでいるようでしたが、高齢者であってもは孫世代の乳幼児をかわいいと思わない、かえって声がうるさいと思う人たちも現実にはいるということです。

 本来、隣の家が子育て家庭であるとか、母親一人で子育てに奮闘しているなどということがわかっていれば、お互い声を掛け合い、母親のストレス解消のために何か地域でできることを考えていけばいいことなのでしょうが、世の中、職場でも家庭でも地域でも、みな「自分のことで精いっぱい」な状況で、「他人のことなどかまってられない」風潮がますます強い傾向にあります。行政に通報することで、なんとか公で対応してもらい、「人のことには関わりたくない」という風潮。
 まずは近隣住民も「虐待」と騒ぐ前に(行政に通報する前に)、もっとその家庭の事情にも関心を向けてほしいものだと思います。
 明らかに虐待の要素があると言うならまだしも、今は「疑わしきはとにかく通報を」という啓発の仕方をしているので、先にあげた避難者の母親たちが感じる、ストレスからくる子どもへの八つ当たりまでもが「虐待」として「通報」されてしまうのです。

 そのような社会的時代の変化の中で子育てしている母親にとってみれば、確かに昨今は育てにくい環境にもあるわけです。
 今は、若夫婦の3割は不安定な経済状況のなかで子育てをしているわけです。就職も安定せず、いつ首を切られるか分からないという不安定な社会情勢のなかでの子育て。夫は人員削減のあおりを受け、残業続きの毎日。ほとんど子育てを母親一人でしているような家庭も多いはずです。
 ましてや被災地であればなおさら夫と離れて自主避難していたり、仮説住宅の狭い空間で隣室に子どもの騒ぐ声が聞こえないようにと気を遣いながら子育てにストレスを抱えながらの母親。
 そんな状況のなかで、母親自身を肯定されず、母親への精神的・肉体的ストレスを解消できる場所や支援もないままに、母親の子育てを批判されているような錯覚を生じさせてしまうのではないか?

 国や都道府県は、いつも虐待の件数をデータとしてあげろと市町村に要請してきますが、ただ件数をあげることばかりに躍起になってしまう職員もいないわけではありません。「うちの市(町)ではこれだけ虐待の件数をあげて実績を出しているんだ」「虐待に一生懸命取り組んでいる市町村」と自慢したがる行政の職員。
 件数をあげる前に、もっと母親たちを孤立させないですむような方策や支援を本気になって考えていかなければならないのではないでしょうか。
 そういう支援を優先させずに、ただ通報があったことですぐ「事実確認」したり「「監視」的な視線をおくり、「虐待(疑いも含めて)している母親」という目でレッテルを貼りたがる見方をしがちな職員もいますし・・。
 だから、新聞のデータの何割かは過剰にカウントしている場合もあるため、あまり信用できないというのが本当のところです。

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