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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

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発達障害者フォーラムに参加して

 毎年、年1回、「発達障害者支援センター」主催の研修会がこの時期に開催されます。
 テーマは、前回は「発達障害児の早期療育について」でしたが、今回は「思春期、成年期以降の発達障害者の支援」がテーマでした。
 特に就労支援の課題について講演・シンポジウムがありました。
 支援者はもとより、当事者の親の参加も結構ありました。

 障害学生の相談窓口を置いている某大学の心理相談室の教授の話では、診断のついてない発達障害者(と思われる)学生が年々増えていること、そしてそういう学生の中に就職が決まらない学生が多いなど。
 若者サポートステーション(15~40歳までの無業者無学者を支援する機関)のが代表者。
 その他ハローワークの障害者支援窓口の職員の話、障害者職業訓練センターの職員の話などがありました。
 ハローワークや職業訓練センターの人の話では、発達障害者の人たちの就労相談にいかにも頑張っているような話ぶりで、こういう制度がありますから是非活用してください・・というような感じの話でした。

 しかし、最後にシンポジストで「親の立場から」壇上に上がったある母親の話が、この発達障害者の課題がすべて集約されるような説得力のある内容でした。

 「息子は小中高といじめに遭い、自己否定の中で思春期までを過ごした。卒業後は地元にいたくないと言って、県外の専門学校に入学したが、余暇活動の他市ぐらいにしかならず、仕事に結びつくものではなかった。しかし、発達障害者にとって仕事以外の余暇を楽しむということも大事だと思っている。就職は地元には戻りたくないといって、都会の方で職を選んだが、なかなか決まらず。地元で障害者手帳(精神障害者福祉手帳)もとっていたので、ハローワークに相談したら、発達障害者の障害についても無知な相談員だった。障害の程度が軽いので「クローズ(障害名を出さず、一般就労枠で)」で探し、なんとか契約社員として雇ってもらえたが、最低賃金で、とても都会の一人暮らしの生活で家賃からなにからを自分の給料で賄うことは到底出来ず、親の仕送りがなければせいかつもできない。それに、職場の理解もなく、二次障害のうつ病も発症し、今も精神薬を服用しながら何とか仕事を続けている。受診も都会の病院ではどこが良い病院かを探すことも困難で、結局通院だけは地元に戻り療育センター時代に診察してもらった先生が某精神科の病院にいるのでそこに通っている。
 この先親もいつまでも支援できるわけもない。息子の住む自治体で障害者年金などについて相談しても障害の程度が「軽い」がゆえにそれもままならず。小中高と「普通学級・普通学校」に入ったが、何のために普通学級にこだわって頑張ってきたのか・・。今思えば、進路の選択は就労を見据えた職業支援のある学校を選べば良かったのかと振り返る。
 自分もこの地域で「発達障害児(者)の親の会」を主催してきた立場でもあったが、その当時も「親がそんな活動をしているから子どもがダメなんだ」「お母さんが仕事をしているから」とさんざん親までも責められたこともあった。
 自分もそういう親の会をしていたこともあり、以前も県が主催する会議にも招集され、そこでも意見を言ってきたが、今もあのときとそう支援の実態は変わっていないのではないか。
 座長の精神科医を前にして大変申し上げにくいが、県内の発達障害者を理解して診断できるドクターも大変少ない。子どもの年齢は小さい時は療育センターなどでも見てもらえるが、学齢期を過ぎた途端、相談場所がなくなる。医療も途切れたりする。いろんな支援機関が機能的に連携できていない。ハローワークの職員も自分の住むエリアの障害者支援窓口の職員は発達障害自体をあまり知らない人がいる。シンポジストで話された方の地域は中核市なので支援体制もできているのか分からないが、地方の市にはなかなか体制が行き届いていない実情がある。
 親の会はやめたが、今でも自分の子どもが小さかった頃抱えていた問題を、発達障害児と診断された今の親たちの動揺に抱えており、ときどき相談にのることもある。」
 
 最後のこの母親の発言にすべて集約されたなあと感じました。
 会場からも、当事者の親達からの辛辣な現実的な質問が飛びかいました。
 「ハローワークにいって障害者枠で相談しても、発達障害=精神障害者福祉手帳の所持になるため、〝実際は身体障害者の求人があるが、精神障害者となるとなかなか難しい”と言われた」
 「窓口で〝アスペルガー症候群ですが」というと、〝アスペルガーって何ですか?”と逆に聞き返すハローワークの職員もいた。ああいう人たちは数年で異動するのかもしれないが、障害者の就労支援の窓口にいるなら、もっと発達障害のことを勉強してほしい」
 「若者サポートステーションは40歳までの人を対象とあるが、自分は44歳(女性)で広汎性発達障害。(3人の子どもさんも皆発達障害)44歳の自分の支援はどこでしてくれるのか?これから更年期にもさしかかり発達障害に加えて精神的身体的な課題も出てくると思うので、40,50代でも支援体制は必要でないか」
 「発達障害の就労は実際どのくらい会ったのかという質問をハローワークでしたら、たった1件だった」

 むしろ壇上に上がってたいそうなことをしゃべっているシンポジストよりも、いろんな支援機関に出向き、翻弄されている当事者の親御さんの方がよっぽど現実や課題を見据えていると思いました。そういう親や当事者たちの課題を吸い上げず、いつもこういう研修を企画する主催者(県や自治体など)は、表面上の連携・表面上の会議、表面上の研修会を企画するだけで、最後に発言した親の立場からのシンポジストのいうとおり、実質的な連携や支援体制をどう作り上げるかを考えてほしいと思います。
 
 このような立派な研修会やシンポジウムなど開催するのはいいことだが、いまだに啓発だけで終わっている現状。そして県内の発達障害者をとりまく現状は何も変わっていない。それがきっと私だけでなく会場にいた多くの参加者が感じた感想だと思います。


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医療・福祉・介護分野で仕事をしてきました。息子が発達障害をもっています。仕事や子育てを通して感じたことを個人の見解として綴っています。

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