FC2ブログ

ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

福祉の窓口からみえるあれこれ

親も高齢になると、それまでできていたことができなくなり、介護が必要になる時期は必ずやってきます。そんなとき、キーパーソンになれる家族がいれば別ですが、中には子どもであっても、「「定職」についていない(つけない・つかない)世帯があれば、支援者の中には、最初からその子ども(息子や娘)を色眼鏡で評価してしまう人もいます。
 
 先日介護保険の申請をした世帯は息子夫婦や孫たちと暮らしていますが、訪問の予約をとった保健師は相手が「自分(息子)は日中はいないが子どもたち(対象者からみたら孫に当たる娘・息子)は仕事がないので日中は家にいるから、いつ来てもらってもいい」との相手の応対を聴いた後、周囲の職員に「若いのに仕事がないなんてねえ・・・まったく・・」とぼやきながら日程を調整しようとしています。
 そして訪問した後の会話では、「一家全員ボーダーな家だった。めんこちゃんな子どもたち」と訪問した世帯の印象を伝えています。
 めんこちゃん(=本来はかわいいという意味だが、知的な遅れなどがみられるような人たちを揶揄していう場合がある)という言葉をそのような意味をこめて専門職の立場で使っていることにも疑問を感じますが、こういうふうに見ている人たちが、支援者としてはびこっているのも現実です。

 相談が入ると、まずその世帯状況を住民基本台帳から検索し、世帯状況を把握しますが、「気になる」人たちは相手の素姓をどこまでも知りたがる・・。けっこう役所にいると、個人情報なんてほとんど見られています。
 
 最近は地域のつながりも希薄になり、また厄介なことに巻き込まれたくないという心情も働くがゆえに、「隣の家からどなり声がする」と、すぐ行政に「通報」があったりします。中にはその世帯に何らかの関わりを持とうとする前に、警察に「通報」する住民もいたり、民生委員に直接苦情として訴える住民もいます。「民生委員なのに何もしない」と。
 警察も最近は事件性がなくても以前よりは関わりを持つようになってきているせいか、行政にも「この世帯に対して何か情報はないか」と聞いてきます。情報が勝手に一人歩きしているような事もあります。「どなり声」=虐待?「障害者者が(挙動不審に見えるような態度で)歩いている」=不審者?という見方になってしまい、「監視」の対象者(世帯)としてリストアップされるようになってしまいます。

 ある民生委員は改選で初めて担当地区を回って、無職の50代の息子さんと介護が必要な高齢の母親との二人暮らしの世帯から経済的な相談や介護の相談を受け、「あそこの家は息子が親の年金をあてにして働かないのは怠けている。まず親を施設に入れて、息子の就労支援をすべきではないか」と助言してきたと、こちらに報告に来ました。
 以前、私もこの世帯には関わっていたこともあり事情は知っていますが、介護が必要になった時期と、息子さんの自営していた仕事が不況で仕事がなくなった時期と重なっていたことや、介護期間中もハローワークにも何度も足を運んでいたことも知っていました。しかし、現在まで仕事もなく、国民年金しかない母親の年金をあてにするわけにもいがず、行政にも生活保護の相談にも来ていました。
 このように民生委員もそれまでの経過を知らないままに訪問し、見た目の状況だけで「余計な助言」をしてしまい、かえって物事をややこしくしてしまうようなこともざらにあります。
 
 当市は県内でも一番生活保護の受給者が少ない自治体とのことですが、県の監査でも「どうしてそんなに少ないのか」と言われるほどなのだそうです。しかし、担当係は決して対象範囲を緩めようとしません。水際作戦を使ってなんとかして抑制しようと躍起になっているようにも見えます。
 仕事を探していても、適当な仕事が見つからないと言えば、「仕事を選ぶんじゃない」と言われ、親の介護のために仕事ができないと言えば、「親の年金をあてにして働こうとしない」と言われ、親の年金で生活費をまかない、自分の小遣いの一部にでも使おうものなら「経済的搾取の虐待だ」と虐待者扱いされ・・・。
 そういう判断をいとも安易にしてしまう職員集団・・。

 今の若者、普通の若者たちですら就職難だったり正規職員になれなかったりする時代。うまく就職できたとしても人間関係や過重労働などで長く職場にいられず精神疾患に陥ってしまう人も年々増えつつあります。ましてや発達障害の子どもたちだって、今の社会情勢の中でいっぱしの職業について経済的に安定して人生を送れる人たちもそう沢山いないのが現実かもしれません。そんな若者たちがやがて長じるにつれ、親も高齢化していきます。
 
 先日50代の男性と80代の両親が住んでいるお宅を訪問しました、ケアマネジャーが「困難ケース」と感じている世帯でした。ケアマネジャーが考える介護サービスの利用を助言しても息子さんなりの「こだわり」があり、サービスを拒否し何も先に進まないということでした。そのため、本来必要と思われるサービス(デイサービスや福祉用具の導入など)が利用できず、夫も身障者、息子さんも腰痛持ちの無職でありその対象者の母親は寝たきり一歩手前にあるような状況でした。
 実際、訪問してみると息子さんの言動や態度から、たぶん診断がついていたら広汎性発達障害と思われるような方でした。新しい環境(デイサービスの利用などこれまでの生活パターンから変わること)への適応が息子さん自身できず、助言したことに対してすぐ不安観や否定的な見方になり「でも、○○だから利用は難しい」となります。発達障害に見られがちな「予測ができない事への不安」や「新しい環境への適応困難さ」や「自分の考えへのこだわり」が介護の場面や言動にもうかがわれます。ケアマネジャーにそのような理解がないと「息子は変わっている」と評価され、この世帯が「困難ケース」として取り上げられてしまいます。
 地域の住民もそこの家の息子さんを「変わっている」と見ていると言うことだそうです。

 親が元気で地域生活を営めていた時はそういう子どもの状況は見えてきませんが、介護が必要になる年代になったとき改めで問題がクローズアップされるのでしょう。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 広汎性発達障害へ
にほんブログ村 介護ブログ 障がい者福祉・介護へ


ランキングに参加しています。
 
関連記事
スポンサーサイト

コメント

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ttmama4913.blog.fc2.com/tb.php/455-20c5329f

地球の名言

プロフィール

TTmama

Author:TTmama
医療・福祉・介護分野で仕事をしてきました。息子が発達障害をもっています。仕事や子育てを通して感じたことを個人の見解として綴っています。

カレンダー

07 | 2019/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

カテゴリ

最新記事

月別アーカイブ

訪問者

全記事表示リンク

フリーエリア

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR