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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

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自閉症の世界(3)

あるがままに自閉症です ~東田直樹の見つめる世界~あるがままに自閉症です ~東田直樹の見つめる世界~
(2013/12/21)
東田直樹

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(本文より)

困難 
 僕の困難は、言葉の意味をわからないことではありません。
 普通の人は、言葉がけをして、その意味が伝わらないと言葉の意味がわからないのだろうと考えます。会話ができなけてば、そう思われるのも無理はありません。
 たとえば、僕が文章を書いている時には、意味をわかって使っているつもりです。状況の設定はすべて自分が行い、人物像やあらすじなども僕が決めます。それは僕がつくる物語だからです。
 けれども、言葉を聞いて行動に移す時には言葉の意味を思いつかないのです。
 その言葉が、どういう意図で指示されているのか、何をどこまで表しているのかつかめなくなります。
 まるで、野球を見ている時にはすべてを把握している監督のようなのに、バッターボックスに立ったとたん、バットも握ったことのない幼稚園児になってしまうみたいな感覚です。

クレーン現象 
 小さい頃は人の手を掴んで、その人に物を取ってもらっていました。なぜそんなことをしたのかというと、どうやれば取れるのかわからなかったためです。
 僕にとっては、物を取るのと意識して物を手に入れるのは、全く別のことだったからです。
 例えば、テーブルの上のお菓子を自分で食べることができても、テーブルの上に取り慣れない者が置いてあったとしたら、それを自分で動かすことはしませんでした。「僕が取る」という発想がなかったせいです。
 物を取るというのは、「手が物をつかむ」ことです。そのシーンを再現するためには、人の手でなければならなかったのです。

服を噛む
 簿君は悔しかったり苦しかったりすると、すぐに着ている服の袖口を噛んでしまいます。噛みながら「ウーッ」とか「イヒー」などと意味不明なうめき声を出すのです。それは、気持ちを落ち着かせるためです。
 いらいらすると、どうしようもなくなります。すると、ぱんぱんに膨らんだ風船みたいに、ちょっとのことで破裂してしまうのです。
 袖口を力いっぱい噛むと空気が少しずつ抜けて、風船がしぼむみたいな感じで落ち着くことができます。
 服を噛むなんてみっともないですが、今の僕が気持ちをコントロールするためには必要なことなのです。

パニック
 混乱してパニックになった時も、自分の感情をコントロールできません。理性で感情を抑えられないのです。人が何を言っても聞くことができません。聞きたくないのではなく、聞こえていても何を言われているのかわからなくなるのです。自分の感情におしつぶされそうになり、とにかくこの苦しさから一刻も早く開放されたいのです。
 パニックの時、してはいけないことをするのは、わざとやっているわけではありません。苦しさから解放されたいためにしてしまう行為です。もちろん、それは悪いことだとわかっています。でも止められずに、自分でも苦しんでいるのです。
 パニックになったら、問題行動を起こさないように見守ってください。間違っても、それをしたらすっきりするだろうとは思わないでほしいのです。
 
空気を読む
 僕は空気を読むのがどういうことなのか、それ自体わかりません。口で言わないことも想像して、人の気持ちを考えることでしょうか。
 それなら、話せない自閉症者だってやっています。でも、考えるだけではだめで、どう行動するかが問題なのだと思いますが、なぜそのことを「空気を読む」というのか不思議です。
 その場の空気というのは、みんなでつくるものです。たとえ、中の一人が、ちょっと変なことを言ったり、おかしな行動をとったりしても、周りの人がカバーすれば、それでうまくいくのではないでしょうか。
 僕は、カバーできない人間です。だからかもしれませんが、カバーしてくれる人が好きです。
 空気を読めない人をバカにするのではなく、みんながカバーできる人に憧れたり、カバーできる人を尊敬したりすれば、いいのではないでしょうか。
 
通じる
 心が通じていると感じるのは、相手との関係において、とても重要ではないでしょうか。
 話せない人にとっては、話せないことが日常です。話せない自分が、ありのままの自分なのです。感覚的には、普通の人と違うところもあるかもしれませんが、普通の人と別の種類の人間ではないのです。
 心が通じるということは、自分の思いを相手に理解してもらうことではありません。
 自閉症の人に対して、伝えたいことが伝わらないのは、言葉が通じないという理由だけではないと思います。相手が心を開こうとしているのか、相手も自分と同じように心を通わせたいと考えているのか、そのことを忘れてはいないでしょうか。
 本当に話せる人が何でも分かっている人で、話せない人が何にもわからない人なのでしょうか。
 試されているのは、自分の方かもしれないということを忘れないでください。

小さい花
 僕はすぐに辛くなってしまいます。なぜかというと心の中が、辛いことでいっぱいだからです。すぐに辛くなるのも、心の中が辛いことでいっぱいなのも、同じだと思われるかもしれませんが、それは違います。
 すぐに辛くなるのは、辛いことが心の中でいっぱいになってしまった結果です。
 辛いことというのは、雪と似ています。
 少しずつ積っては溶ける人もいれば、吹雪のように目の前が一気に一面の雪で覆われてしまう人もいます。雪がすぐに溶けてしまう人には、毎日凍りつくような日々を送っている人の気持ちはわかりません。
 すぐに辛くなる人は、どうしたらいいのでしょう。
 僕は雪が溶けるのを待ちません。凍ってしまった心の雪は、簡単には溶けないことを知っているからです。
 だから、そこに花を咲かせるのです。
 吹雪の中でも咲くことのできる、小さいけれど可愛い花です。それが何なのかは、人によって違います。自分を認めてくれた言葉だったり、自分にやさしくしてくれた人だったり、今生きていることの支えのようなものです。

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医療・福祉・介護分野で仕事をしてきました。息子が発達障害をもっています。仕事や子育てを通して感じたことを個人の見解として綴っています。

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