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ひとりごと ~障害・福祉・医療・子育てを考える~

発達障害の子を持つ親として、また医療・福祉・介護にかかわる仕事を 通 して感じたことをつづるブログです.

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虐待報告の裏にあるもの

新聞紙上で、「児童虐待・高齢者虐待の件数が過去最高」との報道がありました。

 この数字の根拠となるものは、市町村(児童虐待の場合は児童相談所)に毎月報告を求める件数の数字をもとに県内の数字を取りまとめるのでしょうが、現場にいると、「本当に虐待としてあげてもいいのか?」と思われる(疑い)のものまで、すべからく計上してしまうきらいは否めません。
 
 県の方としては、「啓発の結果、住民も関心が高まり行政にも通報しやすくなったのではないか」と分析しています。
 また、最近では、地域ネットワークの重要性も指摘されています。
 警察署なども、これまでは事件性が伴わない事にはあまり介入したがりませんでしたが、未然に防止するという観点からも行政とも連携を図ろうとする傾向に変わってきているようですが、そんなこともあり、虐待の疑いのレベルの人でもすぐ行政に「虐待通報をします」と行政に文書で報告が入ることがあります。


 ある老夫婦世帯、どちらもまだら認知の症状がありましたが、もともともの夫婦関係と性格から、夫の方は妻に対しては何でも命令して家事をさせるようなタイプでした。妻は妻で性格的に大人しく夫には口答えできず、息子さんと夫との確執などにも頭を痛め、うつ的症状や徐々に認知症状も加わっていきました。家事もこれまで通りにできにくくなっても、夫は妻の状態に理解を示し事ができずにいました。介護保険サービスでデイサービスなども行っていました。
 夫は妻が満足に家事ができないと、自分の思い通りにならないことで妻を時々叩くようになりました。妻はその度嫁に行った娘さん宅に一時的に退避するような生活で、娘さんも困っていました。

 あるとき、その妻がいなくなったということで探しまわり(結果的にはもう一人の娘さん宅にいたことがわかりましたが)、警察の方も介入することになりました。あとで、警察の人に妻が夫に叩かれることもあるとふと漏らしたとたん、警察は行政に「虐待の通報をします」といって文書で報告がありました。
 本来「虐待かどうか」を判断するのは行政ですが、警察が虐待と判断するのもどうなのか?

 また、このケースにはケアマネジャーもついており、本来それぞれの夫婦の性格や関係性、認知症への理解など、信頼関係を築く中で、それぞれの夫の思いや妻の思いなどを十分にくみ取った対応や支援をすべきところが十分にはできていなかったようにも感じます。デイサービスでは、妻はデイでの調理実習などでも「今晩夫に何を作ったらいいか」などと、スタッフと一緒に献立を考えたりして調理することにも楽しんでいたと言います。
 「ついカッとなってイライラして叩いてしまう」「ちょっと夫のそばから離れて一人になってみたい」なんていう感情は誰にだってないといったら嘘になるでしょう。
 それなのに、行政の職員達は「虐待」と認定し、夫婦を「分離」し「措置」としての入所を勧めました。
 当然、何も知らない夫はいきなり妻が目の前からいなくなったことに納得できず、夫へのサービスも拒否するような状況にもなりました。
 妻は妻で施設に入っている意味がわからず、夫への思慕も募り、帰宅願望を訴えます。娘さんも措置といえども、入所費用はあくまでも家族負担ですから、経済的理由もあり入所を解除することになり、結果的には娘さん宅に預かって今は夫婦別々に生活しています。
 しかし、このケースに関しては、担当するケアマネジャーやサービス事業所も皆、今回の処遇には納得していません。夫婦一緒の生活もこれからだって可能だと事業所は考えています。要は、認知症がかっている夫婦の生活を家族のみならず、地域の人やサービス事業所も一緒に支援していくことで、ご本人達の思いに寄り添って行けば解決されうるケースではないかと分析しています。しかし、当の「虐待だ!」と判断してはばからない行政スタッフには「あの夫婦をこれから先一緒にしたんではまた同じことが起きるから」と言って、夫は虐待者として県にも報告が上がってしまいます。
 
 虐待と認定された数字の裏には、このような当事者達の生活の実態があります。

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